グラフ型データベースによる自動車開発データの統合
本ブログは、Neo4j社のホワイトペーパー、「Japanese Auto Manufacturer Case Study」を要約したものです。
当社の日本でのプロジェクトが書かれています。原文(英語)をご覧いただきたい方は、こちらをご覧ください。
要旨
この日本の自動車会社では、様々なチームでバラバラに保存されたデータを管理することに苦労していました。この企業は、Neo4jを使用して、製品開発のデータベースを統合しました。
これにより、これまでは、バラバラに管理されて担当者しか理解できなかったデータが、会社の資産として、多くのエンジニアに意味が分かるデータとなりました。
これにより、チーム間で円滑にデータを共有することが出来ます。
チャレンジ
自動車のテストには時間がかかりますが、不可欠なプロセスです。この自動車メーカーは、テストデータを管理して、長期的に役立てるために苦労していました。
主な原因は、標準化されていないテストデータでした。テストデータは、担当者や計測器に依存して、様々な形で保存されます。指定のツールでないとファイルを開けない、ファイルの意味が分からないなどの不便さがあり、他のチームとデータ共有するのは非常に困難でした。
標準化戦略
自動車開発では、機能間のトレードオフなど、複数部署がオーバーラップして、一つの自動車を作り上げる必要があります。
複数部署が、シームレスにデータ交換するためには、全てのドメインにわたる情報を標準化し、データベースレベルで接続する必要があります。この自動車メーカーは、iASYSと協力して、テストデータを、ASAM(Association for Standardization of Automation and Measurement Systems)によって定められたガイドラインに合わせることにしました。
つまり、製品のテストデータは、ASAM標準を利用して、異なるドメインを統合した柔軟なデータベースに登録されます。
ソリューション
自動車メーカーはiASYSと協力して、ナレッジグラフを作成し、製品の妥当性確認&検証ライフサイクル(以下、製品バリデーションライフサイクルと略)全体を統合することを決定しました。これは、BRIXPVMソリューションとよばれます。
iASYSチームは、自動車会社と協力して、ナレッジグラフを設計しました。このナレッジグラフは、製品バリデーションライフサイクルのすべてのデータを接続し、複数ドメインによる連携を可能にします。また、テストタイプ、測定特性、測定条件などの主要なメタデータが定義されています。
今後は、自然言語(NLP)の統合を目指しています
「BRIXPVMにより、テスト、サブテスト、および測定の、よく定義されたセマンティクスを、標準化された方法で取り込むことができました。私たちはエキスパートエンジニアのナレッジを蓄積できます」
エンジニア@OEM