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ナレッジグラフの事例紹介

本投稿は Neo4j 社の事例であり、「 Manufacturer Reduces Time to Market with an Enterprise Knowledge Graph for Unified Testing Data 」の日本語翻訳です。

大手日系自動車メーカーでの事例:

エンタープライズナレッジグラフによりテストデータを統一し、市場投入までの時間を短縮

  • 某日系自動車メーカーは、チーム間のデータのサイロ化による開発プロセスの遅延に悩まされていました。そこでメタデータの標準化をかなえるNeo4jナレッジグラフを使用してチーム間のデータ交換をシームレスにし、製品検証のライフサイクルの短縮を実現しました。
  • ユースケース

 ナレッジグラフ

  • 業種

 製造業・自動車

  • 会社概要

 世界トップ10に入る自動車メーカー。自動車、オートバイ、小型船舶、発電機などに搭載される内燃機関を年間数百万台生産。また、ロボット工学、人工知能、航空宇宙の分野にも多額の投資を実施。従業員は20万人以上(グローバル)、世界各地に組立工場があり、2018年度には1300億ドルの収益を計上。

課題

自動車メーカーにとって品質テストは、時間のかかる、しかし必要不可欠なプロセスです。本格的な生産を開始する前に、不具合を修正するためにテストデータを収集し整理する必要があります。

同社は、重要なテスト情報を長期的な製品検証管理(PVM)に役立てることに苦労していました。標準化されていないテストデータでは、問題の根本原因を効果的に特定することができず、ましてや修正することもできないため、同社の製品検証ライフサイクルは機能していませんでした。

異なるドメインのエンジニアが、また時には同じドメイン内のエンジニアでさえ、異なる方法でテストを行い、異なるツールを使用して様々なフォーマットでテストデータを保存していました。その結果、データに一貫性がなく、サイロ化していたため、あるチームが保存したデータを他のチームが使えない状態となっていました。

戦略

問題の一つは、ドメイン間の境界線が必ずしも明確ではないことでした。多くの場合、ドメインが重複していました。つまり、すべてのチームの情報が本質的につながっており、連携する必要があったのです。

例えば、路上試験中に観測された振動の問題は、エンジンが原因の場合もあれば、車両構造が原因の場合もあります。問題の原因を特定するためには、異なるチームのエンジニアが協力し合う必要がありました。 この例の場合、車両テストグループが、ログに記録された振動データをパワートレイングループと共有し、パワートレイングループが負荷状態、燃焼データ、エンジントルクに関する時系列ECUデータを確認し、主な振動源を探します。

シームレスなデータ交換のためには、すべてのドメインの情報を標準化し、データベースレベルでつなげる必要があります。同社はiASYS と協力し、テストデータを自動化システムと測定システムの国際標準化団体(ASAM)が定めたガイドラインに遵守させることを決定しました。

この新しい製品検証ライフサイクルでは、つながりを表現できるデータベースシステムで異なるエンジニアリングドメインを統合する必要がありました。また、そのシステムはASAMの基準を満たしていなければなりませんでした。

解決方法

同社は、iASYSの協力を得て、Neo4jでナレッジグラフを構築し、BRIX PVMソリューションを用いて製品検証のライフサイクル全体を統合することを決定しました。

iASYSチームは、Neo4jを使用してナレッジグラフを設計し、すべての製品検証ライフサイクルデータをつなげ、ドメインや機能を企業全体で統一することを可能にしました。また、テストタイプ、測定特性、測定条件などの主要なメタデータを定義するエンジニアリング辞書をナレッジグラフに作成しました。

「Neo4jとBRIX PVMを利用して、テスト・サブテスト・測定に、明確に定義されたセマンティクスを統合的に取り入れることができるナレッジグラフを構築しました。卓越したエンジニアの知識を取り込んでいるのです」(プロジェクトに参加したエンジニア)

続いてエンジニアリングドメインを新しい標準化された検証プロセスにマッピングしました。また、BRIX PVMにより、テスト、サブテスト、測定用に明確に定義されたセマンティクスが提供され、エンジニアがドメインやプラットフォームを超えてコミュニケーションできるようになりました。

成果

Neo4jナレッジグラフ上に構築された新しい標準化されたプロセスにより、製品検証のライフサイクル全体で共通のメタデータ言語が使用されるようになりました。

すべてのチームとドメインにまたがるテスト情報は、いつでもアクセスおよび再利用できるようになりました。また、統一されたメタデータ構造により、製品の問題点を徹底的に理解し、迅速で正確な結論を導き出し、現実的な次のステップを取れるようになりました。

同社は次の課題として、エンタープライズナレッジグラフに自然言語処理(NLP)を統合することを目指しています。

結論として、製品テストと検証プロセスがよりスムーズになり、テストデータが今後の参考のために再利用可能となり、 市場投入までの時間を短縮することができました。

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